政策レポート
  中国人民銀行、4ヶ月半ぶりに住宅ローンの最低利率を再度引き上げ  

                                                     2005年3月18日

1.政策の主な内容

中国人民銀行(中央銀行)は今般、3月17日から商業銀行の住宅ローン金利を引き上げるとの通知を公表した。通知の主な内容は以下のとおりである。
@ 現行の住宅ローンの優遇利率を打ち切り、住宅ローンの最低金利を貸出し基準金利の0.9倍とし、一般貸出し金利の最低利率と同じ水準にする。今回の住宅ローン最低金利の変更により、貸出し期間が5年以上の住宅ローンの金利は現行の年率5.31%から年率5.51%(貸出し基準金利6.12%の0.9倍)へ0.2ポイント引き上げられることになる。
A 最近、不動産価格が急上昇している地域においては、住宅ローンの最低頭金の比率を現行の20%から30%に引き上げる。この最低頭金の比率の引き上げについては、各地域の不動産価格の上昇率に基づいて各商業銀行の独自の判断に委ねる。

2.住宅市場への影響

(1)最低金利の引き上げ
今回の住宅金利の引き上げは04年10月29日以来の4ヶ月半ぶりのもので、住宅金利はこの4ヶ月で0.47ポイント引き上げられたことになる。前回の金利引上げは引き上げ幅が0.27ポイントと小幅であったため、金利引き上げ以降も住宅価格は上昇し続け、金利引き上げが住宅市場に与えた影響は限定的なものであった。例えば、上海の中古住宅価格指数は、04年11月〜05年2月までの前月比平均上昇率は3.2%を記録し、04年1月〜10月までの前月比平均上昇率1.2%を大きく上回った。

今回の引き上げも0.2ポイント(貸出し期間が5年以上)と前回と同様小幅であるが、住宅市場に与える影響は前回と異なると思われる。その理由として、以下の3つの点を指摘したい。@今回は、住宅ローン金利のみの引き上げということで、住宅市場に的を絞っており、政策の方向性がはっきりと示されている。A今回の引き上げが4ヶ月半という比較的短期間のうちに実施されたこと、金利が前回と合わせて0.47ポイント上昇することから居住及び中長期の投資目的の住宅購入者にとって無視しえない政策である。B上海で1999年8月1日以降免税となっていたキャピタルゲイン課税(注1)が3月7日に復活したばかりというタイミングで政策が実施された。上記の3つの理由から今後、住宅購入者の心理的な面にどのような影響を与えるか注目される。

                    住宅ローン金利の推移(年率%)
04/10/29以前 04/10/29〜 05/3/16 05/3/17〜
貸出し期間1年〜3年 4.77 4.95 5.18
貸出し期間3年〜5年 4.77 4.95 5.27
貸出し期間5年以上 5.04 5.31 5.51

(2)最低頭金の比率の引き上げ
住宅ローンの頭金の最低ラインの引き上げは、すでに多くの各商業銀行で実施されていることに加えて、その実施については柔軟性をもたせていることから、その影響は小さいと思われる。

注1.上海では1999年8月1日より、キャピタルゲイン課税(マンション売却時にかかる営業税、個人所得税、土地増値税)の免税、マンション購入時にかかる契約税の引き下げ(3%から1.5%へ)が実施された。

以上

上海:非普通住宅の売却時における土地増値税の支払い義務(2007/06/25)
外資による不動産投資の審査認可および監督管理の強化策(2007/06/25)
土地増値税が清算方式に変更(2007/01/18)
外資による不動産投資への規制強化
  ―不動産市場外貨管理の問題の規範化に関する通知―(2006/09/13)
外資による不動産投資への規制
  ―不動産市場への外資進出とその管理についての規定に関する意見―(2006/09/13)
国務院が不動産新政策を発表(2006/06/05)
広州市が住宅転売時の課税強化を発表(2005/12/23)
国家外貨管理局、外資による不動産売買に関する外貨管理策を公表(2005/11/02)
各地方政府が普通住宅の基準を公表、上海、広州は契約税の税率を変更(2005/06/06)
不動産新政策を中央政府7部門が共同で発表、営業税課税に関する税制変更を含む(2005/05/23)
中国人民銀行、4ヶ月半ぶりに住宅ローンの最低利率を再度引き上げ(2005/03/18)
中国人民銀行、基準金利を引き上げ(2004/10/29)
 
   

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