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不動産新政策を中央政府7部門が共同で発表、営業税課税に関する税制変更を含む |
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2005年5月23日
1.はじめに
中央政府の7部門(建設部、国家発展改革委員会、財政部、国土資源部、中国人民銀行、税務総局、銀行協会)は5月11日、「住宅価格安定業務意見に関する通知(全8項目)」を共同で発表した。同通知は、中国の一部の地域で不動産投資の規模が大きくなりすぎ、価格上昇も速すぎることから、住宅市場の調整とコントロールが重要な課題であることを指摘している。今回のレポートでは、新政策の各項目の主なポイントと新政策の柱の一つである営業税課税に関する税制変更についてまとめた上で、今回の措置の上海、北京、広州の住宅市場への影響について述べる。
2.新政策の内容の主なポイント(税制変更以外の項目)
(1)未完成プロジェクトの調整の促進と住宅供給構造の改善
2年以内に着工しなかった住宅プロジェクトについては再度その審査を行い、認可基準をみたさない場合には認可を取り消す。
(2)土地管理の強化
土地の供給構造、供給方法及び供給期間を調整する。居住用地価及び住宅価格の上昇が過度に速い地域は、居住用の土地供給の比率を上げ、中・低価格の一般商品住宅及びエコノミー住宅の建設用地の供給量を重点的に増やさなければならない。戸建住宅用および高級住宅用の土地の供給は引き続き制限しなければならない。売買契約に定められた着工日から1年経過しても着工していないものについては、土地閑地費を徴収する。2年過ぎても着工していないものについては、無償で土地使用権を回収する。
(3)不動産信用リスクの管理強化と金融リスクの発生防止
与信審査及び融資実行後の審査を徹底する。
(4)優遇制度が適用される普通住宅の基準の明確化
優遇制度が適用される普通住宅の基準は原則的に以下のとおりである。住宅の建築容積率が1.0以上、住宅ごとの建築面積が120平米以下、実際の成約価格が地価の面で同水準の地域に建てられた価格の1.2倍以下。
(5)エコノミー住宅建設の促進
エコノミー住宅建設を強化し、政府が指定する価格での取引を励行する。住宅面積と販売対象を制限し、開発建設コストの低下を実現させ、建設業者の利益を3%以内に抑えなければならない。
(6)市場秩序の回復と違法行為の取締りの強化
未竣工の前売り住宅の再転売を禁止する。不動産開発企業及び不動産仲介業者の市場参入の規制を強化し、違法行為は厳重に取り締まらなければならない。
(7)市場動向の監視強化及び情報公開の促進
各地域において不動産市場の動向の監視を強化する。政策に関する情報公開も促進する。
3.個人の住宅売却時にかかる営業税課税に関する税制変更の内容
2005年6月1日より、
(1)個人が住宅を購入後2年未満で転売した場合、売却価格に対して5%(注1)の営業税がかかる。
(2)個人が普通住宅(注2)を購入後2年以上経過してから転売した場合、営業税は免除される。
(3)個人で非普通住宅を購入後2年以上経過してから転売した場合、売却益(売却価格―購入価格)
に対して5%の営業税がかかる。
・個人の住宅売却時における営業税課税の変更内容のポイント
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| <変更前> |
<変更後(05年6月1日〜)> |
| 購入後1年未満 |
購入後2年未満 |
| 売却益の5% |
売却価格の5% |
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注1:5月18日に開かれた中央政府・財政部の記者会見の場で、財政部・税政局史耀斌副局長は、営業税
の税率は5%と明言。
注2:現地不動産会社の説明によると普通住宅である場合には:
@不動産証明書(房産証)の「設計用途」という項目欄に住宅と記載してある。
A住宅購入契約書(?房合同)の「分譲不動産の用途(商品房的用途)」という項目欄に普通住宅と
記載してある。
4.今回の新政策の住宅市場への影響
(上海市場)
上海では短期的な売買を繰り返す投機行為を抑制するため、99年8月以降免税となっていた営業税が05年3月7日より復活した。今回の新政策に含まれる税制変更のねらいも投機行為の抑制にあるが、その内容は以下の3点おいて前回と異なるものである。@今回の措置では税率は5%と前回(売却益の5%)と変わらないが、利益が出ようと出まいと売却価格にかかるため税負担はより大きい。A課税の適用期間が購入後1年未満から2年未満へ延びた。B中央政府7部門が共同発表した政策パッケージの一環として出された。上海では3月上旬以降住宅関連政策(営業税の復活、住宅ローン金利の引き上げ等)が矢継ぎ早に出されたことを受けて、売り手、買い手の双方にしばらく様子をみようという動き出始め、取引量は減少傾向にある。今回の措置をうけて調整が今後半年程度続く可能性が高いが、中長期的には上昇基調が続くとの判断から今後も引き続き買いが入っていくとの見方もある。
(北京・広州市場)
北京、広州では一部の地域の中古市場において売りを急ぐ動きが出ているものの、概ね安定的に推移している。両都市の市場が比較的落ち着いている背景としては、@上海に比べここ数年の価格伸び率が低く含み益も小さいため、現時点で売り急ぐインセンティブが乏しい、A特に広州では住宅購入者の多くが居住目的で購入していることに加え、他の地域に比べ市場が成熟している、B北京では土地管理策が厳しく実施されてきたが、今回の措置を受けて土地管理がいっそう徹底され、土地供給が更に抑制されるとの予測から一部の投資家の間で更に価格は上がるとの見方が出ている、等の点が考えられる。
中国のWTOへの加盟に伴い2006年末に国内外の銀行が規制の面で同一の競争条件下に置かれることになったため、中国の地場商業銀行は競争力の強化を迫られここ数年不良債権の処理を加速させてきた。外銀との厳しい競争に備えるためには、これまでに一定の成果を挙げてきた不良債権処理を確実なものとし、銀行改革を更に推進していく必要があるが、そのためには、今回のような措置を通じ今のうちに投機行為による住宅価格の急騰を抑制し、銀行が再び大量の不良債権を抱え込むような事態を未然に防ぐ必要があると中国政府は判断したものと思われる。
以上 |
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