今回は、中国不動産投資の投資利回りについてレポートします。
投資判断を行うとき、投資収益がどの程度期待できるのかが、大変重要になります。一般的には投資収益には、インカムゲインとキャピタルゲイン(売却益)があります。毎年のインカム(賃料収入)総額を投資金額で割ったものをインカムイールド(年利回り)といいます。利回りが高く、キャピタルゲインがより狙える物件を購入できれば、高い投資効率が得られるわけですが、実際には利回りとキャピタルゲインがどちらも高いという物件は通常のマーケットでは理論上は存在しません。実際にはキャピタルゲインがより狙える物件は、その時点で時価に反映されていますから、利回りは低くなるからです。投資家としては、利回りが高く、キャピタルゲインがより狙える物件を探したいという欲求は当然ですが、ここ3-4年の上海では、売り手もマーケット価格を理解しており、先高観があったことから、利回りは低下傾向にありました。上海の外国人向け高級マンションの場合2000年頃にはGross利回りで15%くらいの物件はざらにありましたが、現在では8−10%くらいに低下しています。一方いわゆるローカル向けの分譲住宅では、現在のGross利回りは4−5%と非常に低くなっています。
最近上海の不動産はバブルで加熱しているとマスコミで報道されています。私の個人的見解は、ローカル向けマンションはここ数年すさまじい勢いで上昇しており、確かにバブルという見方はできるかもしれません。つまり、投資利回りがGrossで、4−5%しか回らない中で、さらに価格が上昇するという事態となればそれは確かに実需ではなく投機商品となっているわけで、そろそろ危険水域に入っているといえるかもしれません。
外人向け高級マンションの現在のGross利回りは、8-10%(税引後のネット利回りでも5−6%)程度期待でき、さらに今年に入りそのテナント賃料は上昇をはじめています。これは、昨年SARSの影響で稼働率が下がり、貸主が価格の据え置きまたは、若干の値下げに応じていた賃貸契約がちょうど1年を迎え、契約更新時を迎え、値上げに向かったためです。実際今年に入り、世界経済の回復が確認され、上海への外国人駐在員が急激に増え、賃貸住宅のバジェットも上昇してきたことから空室率が急速に低下してきています。
一方、政府の加熱経済引き締め策などの影響も出始め、上海の不動産価格も落ち着き始めています。上海房産交易中心によると、4月の前月比物件価格上昇率は0.9%(3月は、2%)であり、明らかに価格上昇にブレーキがかかり始めています。以上のことから、今年あたりから上海の外人向け高級住宅の投資利回りは改善に向かうと考えられます。したがって、ローカル向けマンションに比べ、外国人向け高級住宅は世界的に見ても非常にリーゾナブルな利回りが維持されていることから、価格的には合理的な水準と考えられます。
引き締め政策の影響は?中国不動産は今年下半期がベストタイミング?
昨年後半から、日本に居住する個人の投資家で、上海のマンション投資をおこなう方が増えています。彼らと話をすると、日本では、不動産投資といえば、将来が不安視される年金に代わる運用資産として利回りを重視したものが一般的で、札幌や福岡などに高利回りのマンション、アパートに投資している方が非常に増えているようです。上海に来られる投資家は、このような利回り重視の投資方法ではなく、日本では死語になったキャピタルゲインと人民元切り上げを狙いに上海の不動産を買いに来ています。
ここに来て、中国政府の加熱経済を抑制する引き締め政策がよく報道されることから日本の投資家からも、中国不動産は、今が買いかどうか聞かれます。
私は、外国人向け高級マンションは、ずばり今が買い時と判断しています。上に説明したように、価格は昨年までの急激な上昇カーブからやや横ばいモードに入りかけている一方、外国人向け賃貸需要が堅調なことから、今後は利回りが改善することにより、中期的には物件価格も再び上昇を開始するというシナリオを描いています。
国家統計局によると今年の1月から5月までの開発業者の開発面積は、対前年比19.8%増、新規購入面積は対前年比9.8%増となりましたが、その前年対比伸び率ではそれぞれ22.1%、及び46.9%ダウンしています。つまり、短期的には融資規制が効いて来る事から、今年の後半にかけて価格は横ばいから一部の物件は調整局面をむかえる可能性がある一方、今後供給される物件の面積が押さえられてくることから、需給バランスから中期的にはやはり安定的に上昇していくことが予想されます。
また、基本的に、日本のバブル崩壊の経験を研究している中国政府はこの引き締め策(金利の引き上げや、融資抑制策)が過度に行われれば危険であることを知っていますから、適当な時期に、適度に緩和することが予測されます。
それでも加熱経済が抑制されなければ、いよいよ元の切り上げを中国国内の目的のために断行することが考えられます。投資抑制の目的とともに、中東情勢の行方と原油価格の動向によっては、元切り上げも中国経済には必ずしもマイナスばかりではない状況が生まれつつあるからです。
このような状況を踏まえ、日本人投資家にとっては急激な円安に向かわない限り、今年下半期は中国不動産投資のベストタイミングが来ていると考えます。
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