トピックレポート
  北京・上海不動産マーケット比較  

今回は上海との比較においての北京の住宅マーケットの概況、今後の見通しについてのリポートです。

1.販売市場

(1) 過去のトレンドと最近の北京市場の動向と見通し (グラフ1参照)
上海では98、99年と下落した後、2000年以降急速に回復しています。2003年時点で97年の水準からみて約50%の上昇を見せています。一方、北京では2000年まで大きな上下変動はなく、安定的に推移しています。2001年以降ゆるやかに上昇し、2003年時点では、97年の水準から10%程度上昇しています。上海の伸び率が高い要因としては、@上海=「中国を代表する経済都市」としてのイメージが国際的に定着しており、海外投資家が最も注目するマーケットである、Aキャピタルゲイン課税が免税である、B中古市場が整備されている、の3点が指摘できると思います。他方、北京が低調だった背景としては、@最近まで北京市民以外からの投資がほとんどみられなかった、A住宅を政府から支給されている公務員が多い、B国の首都ということもあり不動産の開発制限が徹底している、という理由が挙げられます。

今後は北京市場も上海同様に活発化し、価格も長期的に上昇していくとみています。要因として@シドニーではオリンピック効果で価格が2倍になった、A2003年以降北京市民以外の新しい購入者層が急速に形成され、高級マンションへの投資を開始している、Bオリンピック開催の関係で北京市は2007年末までに全ての建設プロジェクト(マンション・オフィス)を完成させなければならず、本格的な供給の再開は2009年後半以降になる、の3つが挙げられます。実際、昨年後半以降実施されている政府の引き締め政策にかかわらず、今年に入ってからも北京の住宅指数は上昇し続けていて、今年5月時点で昨年末比3.9%の上昇を記録しています。

                                      データ出所: 北京・上海中房

(2)価格水準
グレード(施工精度)も、立地条件も良い150平方メートルの外国人向けファミリーマンションが1400〜2000万円のレンジで購入できる新築物件があり、ここ2、3年で急騰した上海と比較すると手頃な価格の物件があります。

2.賃貸市場

(1)過去のトレンドと最近の北京市場の動向と見通し (グラフ2参照)
95年から99年までは両都市とも下落傾向にあったのですが、2000年以降は対照的な動きを見せています。上海は2000年から2003年にかけてゆるやかな上昇を記録しているのに対し、北京は下落傾向にあります。上海は中国最大の商業都市で、外国人駐在員の伸び率が北京に比べて高いことがこの違いの背景にあると考えられます。

CBリチャードエリスの今年の第2四半期レポートによると、北京における外資系企業のビジネスの活発化を背景に、今年の第2四半期から北京のサービスマンションの賃貸料がわずかに上昇に転じています。これまでの下落傾向が修正され、北京市の高い成長率を背景に今後は上昇トレンドに入っていく可能性が十分に考えられます。

                                      データ出所: DTZ

3.利回り・賃料水準・稼働率の比較

利回りは一般的に北京の方が上海よりも高いということがいえます。北京では平米単価が上海よりも低いことに加え、現時点において立地条件がよく、グレードの高い外国人向けサービスマンションの供給が限られているために賃料水準が上海よりもやや高めであるからです。但し、稼働率については上海では90%程度であるのに対し、北京では80%を切る物件もあり、かなりバラツキがあります。 物件の選定にあたっては、この点に留意する必要があります。

8月にアテネ・オリンピックが開催されました。今後は次の開催地の北京に注目が集まることでしょう。過大評価は禁物ですが、注目のマーケットであることは確かでしょう。


以上

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