「中国で住宅を探す」
              〜日本との違い〜
華南地区の不動産市場動向
ベターハウス広州支店 支店長 泥谷英明
(本レボートは WALKER広州 2005年12月号に掲載されました。)

 中国で暮らすことになればまず住宅を探さなければなりません。特に始めての海外暮らしは誰でも日本との違いに戸惑うものです(・・・私自身もそうでした)。少しでも事前の参考になるよう、不動産に関わる日中の相違点を様々な視点から比較してみたいと思います。

@賃貸契約に関わる相違
 日本の2年契約に対して中国は1年契約が主流ですが、契約期間が1年を超える場合で<固定契約期間+自由(フリー)契約期間>とすることもあります。<固定契約>は事前の書面解約通知により契約を終了させた場合に保証金が返却されないという契約ですが、<自由契約>はその保証金が返却されるという点が異なります。また契約期間終了後に他の入居希望者に優先して継続賃借できるという<優先賃借権>、賃貸人(以下オーナー)が物件を売却しようとした際にその購入予定者に優先して賃借人が購入することができるという<優先購入権>という権利も日本にはない概念です。

A建築構造に関わる相違
 6階〜30階程度の一般的な鉄筋コンクリート造マンションを大まかに比較すると、表1のようになります。間取り変更をすることはないであろう通常の賃貸借契約においては、中国のマンションのほうが使いやすい点も多いでしょう。

B平面形状に関わる相違
 たくさん物件を見学するとキッチン・バスルーム・書斎、ベッドルーム、子供部屋・・・いずれにも窓が付いていることが多いのにお気づきでしょうか?角部屋が多いというのも同様です。耐震性・効率性・機能性を可能な限り追求する日本では犠牲になってしまった空間の豊かさかもしれません。また「面積表示」の違いを表2にまとめてあります。

C家具・設備に関する相違
 中国の場合多くの物件で家具はオーナーによって準備されますので、入居者がこれらを持ち込む必要はありません。見学時点で家具や家電が準備されていないケースなどで家具のスタイルや家電のグレードなどに好みがある場合は、事前にオーナー側にこの希望を正確に伝えなければなりません。「入居時までにエアコンを2台付ける」という先方の了解だけで安心してしまって、実際取り付けられたのは中古でトラブルの多いエアコン・・・ということのないように念入りに準備したいものです。また設備の基本的性能に関して、水圧・水温の安定性が日本に比べてやや劣るなどある程度やむを得ない事情もありますが、故障や経年劣化が早いのも事実ですのでエージェントや貸主側の十分なサポートを受けられることをお勧めします。

Dサービスに関する相違
 私たち日本人が中国の賃貸住宅を借りる時には、日本の仲介業者が一般的には提供していないような様々なサービス・アフターフォローが必要になるものです。様々なエージェントやコンサルタントが、中国の不動産賃貸市場で独自のサービスを展開しています。例えば弊社広州支店の場合はお客様のご要望に従って、以下のようなサービスをご提供させていただいております。<引越しのアレンジ・立会い/ADSLや家具、家電など設置アレンジ/家電や家具の修理アレンジ(費用負担がオーナーに帰すべき場合の交渉・請求)/電話代その他費用の納付代行(必要な場合)/幼稚園・学校などのご紹介/一時帰国など不在時のケア/漏水・ガス漏れ等を含む各種トラブル時の対応(費用負担がオーナーに帰すべき場合の交渉・請求)/その他(多数検討中)・・・>

Eこれから起こるであろう変化
 特に広州市内では物件(サービスアパートを含む)それも単身者用のスタジオタイプから大型の物件まで様々なタイプの供給が増えますので、入居者にとっては今までに比べ選択肢の幅が広がることになりそうです。また新規供給されている物件の内装のグレードが格段に向上、なかには日本製のキッチン設備を完備したものも登場しています(写真1)。さらに、単身者用のスタジオタイプやなどでは一部で賃料賃料の上昇傾向がはっきり見られます(オフィスも同様)。こうした市場の変化に伴って私たちエージェントのサービスについても更なるの向上、改善が求められていると自覚しております。皆様方からの感謝のお言葉だけでなく、叱咤激励や厳しいご意見も私たちのサービス向上を検討する上で最大のヒントになります。皆様からのご意見をこころよりお待ちしております。


日本 中国
構造形式 ラーメン構造 壁式構造
特徴的な構成要素 柱と梁 耐力壁
耐震性(※) 特に靭性に優れる 特に強度に優れる
ユーザーにとっての
メリット
間取りの変更が容易 小さな部屋があっても大きくできないなど間取りの変更が困難。
ユーザーにとっての
デメリット
インテリアデッドができやすい 柱型がなく、真四角の部屋がつくれ家具などの配置でデッドスペースができにくい。
套内面積
日本の「専有面積」に相当する面積。華南地区では併記されることも多い。平面計画にもよるが、右の建築面積のおよそ70〜80%
建築面積
日本には無い概念だが、契約書や不動産データなどはこの面積を使用。套内面積+共用部をその持分比率で按分した面積
表1   ※これをもって、日中の建築の耐震性の優劣を比較できるものではありません。 表2
ご質問・お問合せは hijiya@1betterhouse.com
010-86-20-3877-1528
 更新日:2005年12月22日
 

 








 
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